Young Song (ユン・ソン) Biography


 ユン・ソン、1974年、ソウル生まれ。
父親が大学でビオラの教授として教鞭をとっていた関係で、幼い頃より毎週クラシックのコンサートに足を運んでいたという音楽的に恵まれた環境に育った彼は、5歳の時にチェロを学び始め、10歳の時にはソウル・フィルハーモニック・オーケストラとエドゥアール・ラロのチェロ協奏曲を協演し演奏家としてのデビューを果たしている。その模様は韓国国営放送でも放送され、大きな話題を呼んだ。その後、いくつもの韓国国内のチェロ・コンクールで一位入賞を果たし、13歳でジュリアード音楽院でのプレ・カレッジ・プログラムに通い始めた頃には、彼は既に「注目の若手チェリスト」としての名声を確立していた。

 十台半ばで大器の片鱗を見せ始めたユンは、ジュリアード在学中、「QSO Young Solist Audition」「ASTAユs Sixth National String Solo Competition」「New Jersey Symphony Orchestra Young Artist Audition」「Julliard Concerto Competition」でそれぞれ優勝、「Julliard Pre-College Faculty Award」も受賞している。そして、ジュリアード音楽院の学課修了に際しては、その年の卒業生の中で最も優れた演奏を行った卒業生に送られる「Artistic Leadership Award」を受賞している。

 1992年、ユンはジュリアードでのチェロの恩師、チャニング・ロビンスの勧めでイギリスに渡り、Royal Northern College of Music (RNCM)に入学する。ここでも、ユンは、「RNCM Competition」一位入賞を始めとし、「SEMA Group Concerto Award」「British Council of Art & Science English Speaking Union's Award」等を数々の賞を受賞している。新しい師匠、ラルフ・カーシュバウムの元、RNCMでチェロを学んでいたこの時代、ユンはプロのチェリストとして生涯を過ごすことを決心する。

 RNCMを卒業したユンは、かつてのジュリアードの恩師の一人の誘いで、一旦、ニューヨークでプロの室内管弦楽団に参加するものの、自分の理想のチェロの演奏スタイルを追究したいという情熱が冷めやらず、再びヘルシンキのシベリウス・アカデミーに入学し、新たな師、アルト・ノラスの元、一日に10時間以上、時には指から血が出るまでの猛特訓を続ける。

 そのかいあって、2002年、フィンランドのヘルシンキで行われた「パウロ国際チェロ・コンクール」で、ユンは抜群の成績を収めて優勝を果たす。

 若くして、チェリストして世界的な評価を得たユンは、「アスペン音楽祭」(米)、「Aix-en-Musique Festival」「Luzern Conservatory Summer Festival」(仏)、「Verbier Festival」(スイス)、「Manchester International Cello Festival」「Prussia Cove Festival」(英)等の名だたる音楽祭にも招かれ演奏を行っている。

 また、ニューヨークのマーキン・ホール、ジュリアード音楽院、イギリスのRNCMコンサート・ホール、BBCマンチェスター、フィンランドではヘルシンキ・オペラ・ホール等でリサイタルも開いている他、30歳の時にはニューヨークのカーネギー・ホールでのリサイタルを成功させている。

 オーケストラとの活動も幅広く、「フィラデルフィア室内管弦楽団」「クイーンズ・シンフォニー・オーケストラ」「ニュージャージー・シンフォニー・オーケストラ」「USCシンフォニー・オーケストラ」「ニューヨーク室内管弦楽団」「RNCMオーケストラ」「フィンランド・ラジオ・シンフォニー・オーケストラ」「タピオラ室内管弦楽団(作曲家のペンデレツキも参加していた)」「ヘルシンキ・フィルハーモニック・オーケストラ」「チェコ・ラジオ・シンフォニー・オーケストラ」「ノーザン・チェコ・フィルハーモニック・オーケストラ」と言った世界中のオーケストラにソリストとして招かれ協演をしている。

 1999年からユンが参加した、クンホ・アシアナ・ストリング・カルテットはアフリカをもカバーする大規模な世界ツアーを行い、韓国の文化を世界に広く知らしめたその功績を評価され2001年に「韓国大統領賞」を受賞した。それからの2年間、ユン達は韓国政府から「韓国文化大使」としての任命を受け、全世界の60を超える都市で演奏活動を行った。

 また、2001年から2003年にかけて、ユンはイギリスの名門楽団イギリス室内管弦楽団(ECO)のゲスト主席チェリストに招かれ、ピアニストのラドゥ・ルプーらと共に、日本、イギリス、ドイツ、スイスの主要都市11ヶ所でツアーを行った。

 当然のことながら、韓国国内でのユンの人気や評価は高く、韓国国内でも数多くのコンサートをこなしている。2002年から始まった韓国国内での大規模な2年にわたるリサイタルツアーでは、韓国を代表する数々のオーケストラとも演奏している。テレビやラジオへの出演も数多い。

 ユンは、今年、世界的指揮者チョン・ミュンフン氏直々の指名で、氏が指揮をするソウル・フィルハーモニック・オーケストラのゲスト主席チェリストとして迎え入れられた。
 また、今年の三月からは、韓国最大手の携帯電話会社“SKテレコム”が主宰する“Happy Music School”(才能に恵まれながらも、経済的な理由から特別な音楽教育を受けることが出来ない子供達を集め音楽教育を行う私設教育機関)の校長を務める等、後進の育成にも努めている。

 現在は活動の拠点をニューヨークにおき、アジアやヨーロッパでも精力的な活動を続けている。

使用楽器:Andreas Guarnerius 1710製。